大都市の私鉄の終点駅は、頭端式ホームを有している場合が多いです。そして、その頭端式ホームには巨大なビル(百貨店やデパートなどの商業ビル)がセットでくっついています。というか、セットであることが当たり前になっています。
今回は東武浅草駅と松屋浅草(現・浅草EKIMISE)について取り上げます。
当ブログでは複数回に渡って「頭端式ホーム駅とターミナルビル」というサブタイトルで、私鉄の頭端式ホーム駅と、そこに付随しているターミナルビルを取り上げていきます。
東武浅草駅と松屋浅草
東武鉄道の浅草駅は、1931年5月25日に開業しました(当時の駅名は浅草雷門駅)。その5ヶ月後、1931年11月1日に駅ビルのテナントとして、松屋が松屋浅草支店としてオープンします。当初、三越などに声をかけていましたが、紆余曲折あり、銀座に本店を構えていた松屋がテナントとして入りました。
駅ビルは建築家・久野節氏が設計したもので、オープン当時、モダンなデザインの建物を物珍しさに見に来る人も多かったそうです。久野節氏は、鉄道省の建築課長という縁から、東武浅草駅の他には、南海ビルディング(現・高島屋大阪店)、三宮阪神ビル(現・神戸そごう百貨店)、参宮急行電鉄宇治山田駅(現・近鉄宇治山田駅)など、鉄道関係の建築物の設計も手掛けています。
そして、この東武浅草駅と松屋浅草店、それぞれに画期的だった点があります。
- 入口からまっすぐ歩けば改札(東武浅草駅)
- スポーツランド(松屋浅草店)
この2つです。
入口からまっすぐ歩けば改札
まずは浅草駅から。過去記事でも紹介していますが、本記事でもあらためて紹介します。画期的な点の1つとして、松屋浅草店(浅草エキミセ)の入口からまっすぐ進んで行けば、東武浅草駅の改札につきます。
松屋浅草店(浅草エキミセ)の入口に入ると、すぐに大きな案内板と大きな階段、エスカレーターが見えます。ここを登ると、すぐに改札が見えてきます。エスカレーターでは立ち止まって下さいね。
このように、入口からまっすぐ進むだけで、浅草駅の改札までたどり着くことが出来ます。これは、初めて利用する人でも迷う事が無い様に、ホームまでを一直線の構造に設計されています。
スポーツランド
次に松屋浅草店。オープン時に屋上と7階にスポーツランドがオープンしました。当時の人は、モダンなビルとハイカラなネーミングに興味を示して多くの人が訪れたとのことです。そこには自動機械と呼ばれるものがありましたが、大人向けのものが多かったので、子供向けのラインナップに取り換え、親子が楽しめる空間を作り出し、ファミリー層、特に庶民の娯楽客獲得に成功します。
このスポーツランドは、日本で初めて、常設の屋上遊園地となりました。ちなみに、松屋浅草のスポーツランドという名称は「〇〇ランド」の元祖でもあります。
そして問題を抱えた東武浅草駅
過去にも取り上げましたが、この東武浅草駅、駅ビルが非常に立派な建物で、入口から改札まで迷わず行けて、浅草観光にもばっちりな立地でもあります。ただし、東武鉄道の歴史の中で、この東武浅草駅は非常に厄介な存在になってしまっています。詳しくはコチラの記事をどうぞご覧ください。
編集後記
松屋浅草店、現在は浅草エキミセという名称の商業ビルに、私のお気に入りのお店が入っています。「鹿鳴館」というお店です。
浅草以外にも店舗があるので、是非、立ち寄ってみて下さい(宣伝)。「恵みのしずく」というゼリーがおすすめです。プレゼントすると喜ばれます。おいしくて、しかも安い!
そして、松屋浅草から1分歩くと、「神谷バー」というお店があります。
ここの2階にある「レストランカミヤ」の洋食が非常においしいので、浅草にお越しの際には是非立ち寄ってみて下さい(宣伝)。うまい、まじで。
関連記事
本ブログの鉄道コム投稿記事はコチラ
最近の鉄道情報
今後1週間の鉄道イベント(鉄道コムより)