600形、2100形、2代目1000形アルミ車にはワイパーカバーが装備されており、形式表示の部分にはスリットが入っています。なんだかオシャレな感じがしますね。ですが、このワイパーカバーのスリットはオシャレ目的ではありません。
ワイパーカバーのスリットは運転士のため
600形、2100形、2代目1000形アルミ車にはワイパーカバーが装備されており、形式表示の部分にはスリットが入っています。「さすが京急、デザインにこだわってるな~」と思うかもしれませんが、実用目的でスリットが入っているのです。
このスリットが入っている理由ですが、運転士さんが、運転席から連結器を見えるようにしているためです。京急は日中帯は8両編成で爆走していますが、ラッシュ時には8両+4両の12両編成で爆走しています。車庫から12両編成の状態で出場するのではなく、駅で8両編成と4両編成が結合して12両編成になります。また、12両編成を分割する時にも駅で分割しています。
結合・分割する時に、運転士さんが操作するのは当然ですが、その時に「ちゃんと連結出来てるかな?あとどれくらいかな?」と車両同士の連結器の距離を確認しながら操作する方が確実です。運転席からスリット越しに目視で確認しながら連結作業をすれば、ビシッと結合することが出来ますよね。
ワイパーカバーが無いのにスリットを入れてしまった車両
さて、京急のワイパーカバーですが、2代目1000形のステンレス車両からは無くなりました。なので、形式番号のデザインも塗装に変更されています。もちろん、スリットなんて入っていません。
筆者撮影:京急1000形1349編成
(1000形ステンレス車ではワイパーカバーが撤去されたので、形式番号は塗装している)
しかし、2017年登場の17次車からスリットが入っています。
筆者撮影:京急1000形1637編成 形式番号拡大
(全面塗装を施した17次車以降は、形式番号にスリットを入れたデザインにしてる)
1000形17次車は「京急らしさ」を引き出すためにステンレス車であるにも関わらず、全面塗装を施します。既に15次車でカラーフィルムをほぼ全体に貼り付けたのに満足しなかったのでしょう。そしてワイパーカバーが無いにも関わらず、形式番号の部分にスリットが入りました。ここまでこだわるか京急、と感じます。
編集後記
京急のワイパーカバーのスリットのお話でした。1000形アルミ車までは、スリット自体は実用性のあるものとして用意されましたが、デザインとしてもオシャレです。ワイパーカバーが撤去された1000形ステンレス車の形式番号を見て「何か違うな」と京急の中の人たちが考えたのでしょうか、17次車でスリットが必要でもないのに形式番号にスリットのデザインを入れるという細かいこだわりを感じられます。
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