2020年8月25日、2020年度の東武鉄道設備投資計画が発表されました。例年は4月の末ごろに発表していますが、やはり今年は東武も見直しが発生していたのかと。ご時世的に仕方ないとして、注目はリバティとTHライナーの新造、そしてSL2機運用体制への準備と思います。
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リバティとTHライナーの新造
以前から情報はちらほら見かけましたが、リバティの愛称で有名な東武500系と、2020年に虎ノ門ヒルズ駅開業と同じくしてデビューしたTHライナーの東武70090系が新造されます。東武500系は3編成9両が、東武70000系70090型は2編成14両が新造されます。
東武500系
2016年から製造が始まり、2017年にデビューした東武特急の最新車両です。2017年を最後に製造されていませんでしたが、2020年度に新造で3年ぶりの増備となります。現在は8編成24両が運行に就いており、2018年に鉄道友の会・ローレル賞を受賞しました。東武100系・スペーシアにあった個室は無くなりましたが、東武特急の高級感・存在感は歴代の東武特急の車両よりも増しています。
東武500系で特筆すべきは、「さまざまな運行形態で運用可能な速達性と快適性を持った特急列車」というコンセプトのもと、日光・鬼怒川方面の直通特急はもちろん、野田線系統のアーバンパークライナー、春日部までの近距離特急のスカイツリーライナーの運用にも就いています。特急車両としては珍しく、車両前面に貫通扉を設けており、1編成3両を結合・分割して日々の運用に就いています。
東武70090系
70000系を元に設計・製造されたマルチシート車両の70000系70090型は虎ノ門ヒルズ駅開業と同日にデビューしました。ラッシュ時はTHライナーですが、日中は各駅停車の運用に就いているので、汎用性が高いです。既に6編成が運用に投入されており、2020年度は2編成増備ということですが、一気に投入というよりもTHライナーの利用状況を見つつ、徐々に投入していくと思われます。
SL2機体制の準備へ
2019年度に引き続いてディーゼル機関車の購入が挙げられています。2019年の設備投資計画でも同内容を記載しており、ようやく目途が立ったと考えられます。日光・鬼怒川の沿線活性化が目的のため、地元と足並みを揃えつつ、徐々にと言ったところでしょうか。SL大樹2機体制の動きは着実に進んでおり、8月5日には東武日光駅でお披露目とプロモーション発表を実施しています。詳しくは大樹の公式ページからどうぞ。
設備投資額の減少
さて、明るい話題ばかりでなく、ちょっと雲行き怪しそうな部分もあります。2020年は新型コロナの影響もあり、鉄道各社で設備投資計画を見直しています。東武も例外ではありません。過去5年の設備投資額を比べると、2020年度は2019年度に比べて55%の設備投資額となっています。
年度 | 設備投資額 |
2016 | 357億円 |
2017 | 345億円 |
2018 | 360億円 |
2019 | 397億円 |
2020 | 219億円 |
この状況下で新造車両が出て来るから大丈夫だろうと考えるのは早計です。巨額な投資ほど前もって計画されており、車両メーカーや関連機器メーカーにも事前に発注して製造ラインを動かしているため止めることは容易ではないでしょう。
そもそも、2020年度の計画自体、インバウンド需要を見越したものと考えられます。見直して修正はしたでしょうが、500系と70090型の新造、SL大樹購入が物語っています。もし、新型コロナの状況が好転しなければ、2020年度の東武としては痛手を負います。もちろん、東武だけでなく全ての鉄道事業者に言えることですが。
編集後記
500系と70090型の新造は楽しみですが、社会情勢を考えるとかなり強気な感じがします。まあ、動き始めたラインは止められないので仕方が無いと思いますが…
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