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社畜から無職にジョブチェンジしました


西武百貨店は西武鉄道の百貨店ではない- 鉄道4サイトコラボ企画『JOINT!』

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来てしまいましたね、ここに…

この度、縁あって、鉄道趣味サイトのコラボ企画「JOINT!」に参加させて頂くことになりました。

参加ブログはこちら!

  • 鉄道プレスさん(超大手の鉄道ブログさん。色んなニュースやコラムが中心)
  • Odapediaさん(小田急に全身全霊を注いでる。小田急小田急&小田急)
  • 社畜ゲートウェイ(○○砲ありがたや😽
  • Style -Train Graphics-さん(車内だけでなく、鉄道全般詳しい。デザインセンスが凄い。)

参加する各ブログが、同じテーマで記事を書いて、リレー形式でつなげようというこの企画。今回のテーマは「雑学」です。

さて、鉄道プレスさんからの告知があった時に、みなさんは、こう思ったでしょう。

3番目のあのブログ、大丈夫か…?

大丈夫です。安心して下さい。その予感、的中してます。

鉄道プレスさんの「160km/hを出した221系がいる?」、Odapediaさんの「小田急にまつわる10の雑学」は、それぞれ、鉄道にまつわる雑学。まさに王道です。一方、当サイト、タイトルからして、鉄道の雑学かどうか怪しい

そんなことを言っても、もう後には引けないので、そろそろ本編に行きます。

 

大手私鉄が百貨店を持っていると言うのは今では当たり前になっています。

阪急に始まり、鉄道各社が百貨店経営を追随し、時代が進むにつれて、百貨店経営を縮小するなど、各社事情はありますが、鉄道会社と百貨店はセットのような存在です。

しかしながら、大手私鉄とセットではない鉄道会社が存在します。それは西武です。

鉄道会社と百貨店

鉄道会社と百貨店の歴史を辿ると、1920年に阪急が阪急梅田ビルに白木屋を招いたところから始まり、1926年に近鉄上本町の三笠屋百貨店が本格的なターミナルデパートを開設。

世界初のターミナルデパートについては、阪急と近鉄、どちらが先かという議論はありますが、鉄道会社が百貨店経営に参画したのは、1929年にオープンした阪急百貨店から始まります。

そこから、鉄道会社が百貨店を経営するというのが主流になり、鉄道会社が百貨店を持つことは当たり前になりました。もちろん、例外もあって、南海や相鉄などは、土地・建物を提供して、百貨店の専門に経営をお任せする、という手法を採用していますが、その関係は密接です。

そして、今回、取り上げる西武ですが、西武百貨店は西武ではありません。というか、2021年現在、西武百貨店というのはこの世に存在していません

西武百貨店は西武ではない?

現在の「西武」百貨店

「いやいや、池袋に西武あるじゃん!」とツッコミが来そうですが、あれは西武百貨店ではなく、株式会社そごう・西武の西武池袋本店です。渋谷にあるのも西武渋谷店です。

もちろん、営業形態は百貨店ですが、西武百貨店ではなく、「西武」という名前の百貨店です。

「西武」百貨店は西武鉄道が母体じゃないの?

西武という百貨店の名称を見れば、西武鉄道の傘下の様に見受けられますが、西武鉄道と株式会社そごう・西武の間には、資本関係がありません。株式会社そごう・西武はセブン&アイ・ホールディングス傘下の企業です。

先述しましたが、鉄道会社と百貨店はセットの様なものです。しかし、西武鉄道は鉄道会社でありながら、百貨店とセットではないという珍しい関係になっています。

これには複雑な事情があります。

 

何で西武鉄道は百貨店持ってないの?

厳密に言えば、西武百貨店は存在していました。そして、その西武百貨店も西武鉄道率いる西武グループの傘下でしたが、ある時を境に西武グループから離脱しています。

「ちょっと何を言っているのか分からない」という声が聞こえて来ましたので、整理しながら説明しますが、話が複雑なので少し長くなります。

西武鉄道は百貨店を持っていた

他の鉄道会社の例に漏れず、西武鉄道も百貨店を傘下に持っていました。もちろん、名前は西武百貨店です。紛れもなく西武鉄道の百貨店です。

時は遡って1964年。鉄道業界的には、この年の10月1日に新幹線が開業しますが、4月26日に、西武グループの総帥である堤康次郎が急死しました。急死したので後継者を決めていない状態です。

当然、後継者問題の話になるのですが、当時、堤康次郎の長男・堤清は、色々あって廃嫡されています。となると、西武百貨店を任されていた次男・堤清二が西武グループ総帥を引き継ぐのが筋だと考えられますが、堤康次郎から帝王学を受けていた(受けさせられていた)三男・堤義明が西武グループ総帥を引き継ぐことになりました。

西武本体を継承したのは義明ですが、西武グループ内で、流通関係の事業を担っていたのは清二で、西武グループ内の流通事業を拡大していました。この時は、まだ、西武百貨店と西武鉄道が西武グループに存在しています。

西武百貨店の離脱

西武グループの本体である国土計画(不動産)や西武鉄道(運輸)を担っているのは義明で、西武百貨店などの流通事業を担っているのは清二でした。それぞれの担当範囲が被っていないので、西武グループ内での分裂抗争というのは発生していませんでした。

しかし、1971年、堤康次郎の七回忌で義明と清二の間で話し合いが行われ、お互いの事業分野を不可侵という条件で、西武百貨店などの流通事業を清二が率いて西武グループから独立。この時に、西武流通グループが発足し、西武百貨店は西武鉄道から離脱します。

ただし、喧嘩別れみたいな分裂というわけではなく、清二は西武鉄道の取締役を続けていましたし、国土計画が所有していた西武ライオンズが優勝した時に、西武百貨店でライオンズ優勝セールが開催されましたので、西武鉄道グループと西武流通グループで、ある程度の協力関係は存在していました。

また、独立した西武流通グループには不動産資産が無い状態になるので、義明(西武鉄道グループ)が国土計画系列の西武化学工業の不動産部門(後の西武都市開発)を、清二(西武流通グループ)譲るという真心もあります。まあ、これが後々、西武百貨店が名実ともに消える原因になるんですが、詳細は別の機会に。

 

グループから西武の冠が消える

1985年、西武流通グループは、西武セゾングループと名称を変えます。何か西洋かぶれみたいな名前に変わってしまいますが、セゾン(saison)というのは、フランス語で季節を意味します。つまり、英語で言えばシーズン(season)。

まだこの時点では、グループ名に西武の冠が残っており、清二もまだ西武鉄道の取締役なので、首の皮一枚だけ、辛うじて西武鉄道と西武百貨店の関係が続いているという状態です。

しかし、1986年に清二は西武鉄道の取締役を辞任し、資本関係的に関係性が極めて希薄になったとも言えます。

そして、1989年、西武セゾングループは、セゾングループに改称。名実ともに元・西武流通グループは西武では無くなります。

しかし、西武百貨店はまだ健在です。西武ライオンズの優勝セールも、相変わらず西武百貨店で実施していました。兄・堤清二と弟・堤義明の兄弟仲はよろしくないですが、ビジネスライクの関係は続きます…が雲行きが怪しくなります。

セゾングループ(西武流通グループ)が崩壊

1991年、堤清二はセゾングループ代表を辞任。バブル崩壊の影響もありますが、セゾングループ全体の急拡大を行った結果、2001年にセゾングループ全体が危機に陥ります。

西武百貨店もバブルの影響を受けていましたが、リゾート開発で失敗。ちなみにリゾート開発を手掛けていたのは、西洋環境開発。これ、前身は西武都市開発。辿って行くと、1972年に義明が清二に譲った、西武化学工業の不動産部門が源流です。

とは言え、1972年当時の義明は不動産部門を譲っただけであって、その後の経営はセゾングループ(元・西武流通グループ)が行っています。つまりセゾンの自滅。そして、2000年に西武都市開発は倒産し、2001年に会社清算。これにより、セゾングループが崩壊します。

西武百貨店が消える

セゾングループが崩壊しても、まだ、西武百貨店は生きています。

同時期に経営危機に陥っていた百貨店のそごうを西武百貨店が支援して、そごうは復活します。しかし、西武百貨店は、そんなことをしている場合ではありませんでした。

西洋環境開発の会社整理による影響を受けて、2002年ごろから西武百貨店の財政が急激に悪化(というか、既に悪化していた財政が表面化)。自力で再建に乗り出すも、単独では不可能となり、2004年にミレニアムリテイリング(そごうの持株会社)の完全子会社となります。

更に、2006年にセブン&アイ・ホールディングスがミレニアムリテイリングを傘下におさめます。ただ、この時点では、持ち株の傘下に、そごうと西武百貨店が存在しており、ギリギリで西武百貨店は生きてます。

しかし、2009年に株式会社そごう・西武が発足。持株会社であるミレニアムリテイリングと、そごう、西武百貨店が合併します。この時に、そごうを存続会社として合併したため、会社としての西武百貨店はこの世から消滅することになりました。

 

編集後記

ちょっとTwitterで「西武百貨店」と検索してみて下さい。みんな「西武百貨店」とつぶやいています。しかし、残念ながら、2021年現在、この世には西武百貨店というものは存在しません。それは上記の通り、2009年に、西武百貨店という存在が消滅しているからです。

明日使える知識を敢えて言うと、「西武百貨店って西武鉄道の百貨店じゃないんだぜ!西武だけど!」くらいですが、「なにいってんだこいつ?」と思われるだけなので、自慢はしない方が良いかと思います(笑)

それにしても、西武というのは闇が深い…

企画参加サイト様の記事

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1st:鉄道プレス様

 

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2nd:Odapedia様

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Last:Style -Train Graphics-様

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