2020年10月1日から、AE形(スカイライナー)車両が平日朝1日1本の「臨時ライナー」として、北総線印旛日本医大駅から始発するようです。2020年はイベント開催に積極的な京成という印象が強いですが、臨時ライナーの限定運行開始という奇策を打って出たのは何故でしょうか。気になる木ですね。
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http://www.keisei.co.jp/information/files/info/20200924_161834532868.pdf
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「臨時ライナー」のチェックポイント
北総線から都内方面への利便性向上のため、新たに設定された臨時ライナー。車両自体はスカイライナーの愛称のあるAE形を使用しますが、厳密にはスカイライナーではありません。「臨時ライナー」という種別の扱いです。この臨時ライナーについて、チェックポイントをまとめました。
- 平日朝1日1本のみ
- 乗車出来るのは印旛日本医大と千葉ニュータウン中央から
- 特急券は車内で現金のみ
- 座れるのは1号車と2号車
順に見ていきます。
平日朝1日1本のみ
臨時と冠している通り、平日の朝、1日1本限定で運行します。印旛日本医大は6:55発なので、ラッシュ前の時間帯です。
個人的な見解ですが、現状の運用に影響が少ない時間帯で走らせる、かつ、集客が見込めそうな時間帯になると、この時間が最も有力だったのでしょう。本格的なラッシュ時に臨時ライナーを走らせると、通勤列車の追い越しが難しくなるため、ラッシュ前に1本だけ運用するのが、現状の運用に影響が少ないと考えられます。恐らく、スカイライナーの上野回送を使うので、スカイライナーの運用都合としても適しているのかなと。
乗車出来るのは印旛日本医大と千葉ニュータウン中央から
臨時ライナーの乗車可能な駅は印旛日本医大と千葉ニュータウン中央の2駅です。降車は青砥・日暮里・京成上野となっています。印旛日本医大と千葉ニュータウン中央での乗車についての考察は後述します。
特急券は車内で現金のみ
特急券(スカイライナー・モーニングライナー・イブニングライナーのライナー券に相当)は、臨時ライナー車内で現金のみ対応しています。大人500円・子供250円に設定されています。ライナー券の券売機が印旛日本医大と千葉ニュータウン中央にありませんので、車内で現金のみ購入となっています。
座れるのは1号車と2号車
特急券を購入して座れるのは1号車と2号車のみです。考察は後述します。
疑問点
気になる点が2つ。
- 印旛日本医大と千葉ニュータウン中央のみ乗車可能
- 1号車と2号車に限定
この2つに関して疑問に思ったので、個人的に考察してみました。
印旛日本医大と千葉ニュータウン中央のみ乗車可能
印旛日本医大と千葉ニュータウン中央のみ乗車可能にした理由を推測します。
まず、「何故、京成本線ではなく北総線に走らせるのか」というところから考える必要があります。京成が公式に発表するまで細かい数字はわかりませんが、昨今の社会情勢の中、モーニングライナーの売り上げが頭打ちになった可能性が考えられます。
2020年5月1日以降、モーニングライナーとイブニングライナーの本数は変わりませんが、緊急事態宣言が解除され、通勤需要も戻ってきたとはいえ、本数を減らしていないモーニングライナーの売り上げが頭打ちになったと考えると、別のところに需要を求めることになります。そこ白羽の矢が立ったのが北総線ではないでしょうか。
それでは、「何故、北総線なのか?」という疑問になります。感染拡大対策もありますが、空港需要が激減しているため、成田空港からスカイライナーを走らせても売り上げが見込めません。現に、スカイライナーは一部列車運休により減便となっています。となると、成田空港直結のスカイライナーよりも、北総線のいずれかの駅に臨時ライナーのを止めて、新しい需要を掘り起こす施策を考えるのは自然です。
そして「印旛日本医大と千葉ニュータウン中央」というチョイスです。千葉ニュータウン中央は乗降客数が北総線で最も多く、2019年は24,587名となっており、そこに需要を求めるのは当然でしょう。印旛日本医大は乗降客数が4,421名で、お隣の印西牧の原が13,713名と比べると1/3の乗降客数です。恐らく、印西牧の原からの乗客は千葉ニュータウン中央で降りて貰って臨時ライナーの乗車を見込んでいるものだと思います。しかし印旛日本医大の停車は…どうなんでしょう、というのが私見です。見えない力云々で陰謀論を語るのは簡単ですが、現時点では見当がつきません。
路線:北総線 北総鉄道 営業の駅乗降客数ランキング | オープンポータル
1号車と2号車に限定
臨時ライナーの特急券を購入して利用出来る座席は1号車と2号車に限定されています。これは運用上の話になると考えられます。印旛日本医大を6:55に発車して、次の停車駅・千葉ニュータウン中央の発車は7:03となっており、車内で現金のみ対応となっているため、現金対応を捌くのに限界があります。千葉ニュータウン中央から青砥も30分弱で到着してしまうので、全号車を開放すると、特急券の購入に対応する人員を増やすことになります。満員御礼となれば良いと思いますが、昨今の社会情勢のために乗客が減っている状況で全号車開放&臨時ライナーの乗務員を増やすとなると、赤字の可能性も考えられます。また、感染拡大防止の観点から見ても、むやみに多くの車両を開放するのは良策とは言いにくいです。ひとまずは1号車と2号車のみ乗車可能にして、要望があれば乗車可能な号車を増やすというのが妥当ではないでしょうか。
編集後記
京成の臨時ライナーの試みは、現状打開のための奇策か、あるいは試験的導入か、はたまた別の理由なのか、色々と考えは付きませんが、禍を転じて福と為す、と舵を切りたいのだと思います。
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