2020年度内に京急1000形の新造が設備投資計画で発表されましたが、車両基地のキャパがパンパンというわけもあって、置き換えに伴う新造と考えられます。まだ1000形を製造するのか…と考えた鉄道ファンも多いと思いますが、恐らく、1000形の新造は2022年度末で最後になりそうです。
京急車両で直近の置き換え候補
2020年10月現在、京急車両のうち、最も古い形式は1500形です。1500形のうち、普通鋼車である1985年・1986年製造分の5編成が置き換え候補の対象です。
1500形は1985年から1993年に製造されており、1500形最初期の普通鋼車グループは2020年で車齢35年に至ります。京急では普通鋼車の寿命を30年~35年、アルミ車の寿命を45年~50年としているため、1985年製造分は2020年に、1986年製造分は2021年に寿命を迎えます。
明日から急に走れなくなるというわけではなく、車体の素材に使用している普通鋼の経年劣化によって、安全性が損なわれる可能性があるため、普通鋼車は使用しても最長35年、という意味での寿命を迎えるということです。車体寿命は鉄道各社によって異なります。また、寿命を過ぎても、改修を実施を行い、他社や海外で長年走行している車両もあります。
1985年製普通鋼車は1501編成・1505編成・1509編成の3本、1986年製普通鋼車は1513編成・1517編成の2本、合計5本が置き換え候補と考えられます。
京急の2020年度の設備投資計画では、2020年度内に1000形4両編成2本を新造することを明記しているので、恐らく1500形普通鋼車の1985年製造分が置き換えられる可能性があります。その前提*1で話を進めると、2020年年度末時点で普通鋼車は3本残ります。となると、新造ペース的に2021年年度2本置き換え、2022年度1本置き換えで、1500形普通鋼車は置き換えが完了します。
製造年 | 編成 | 製造後35年 到達時期 |
置き換え時期(予想) |
1985年 | 1501~1504編成 1505~1508編成 1509~1512編成 |
2020年 | 2020年、2021年 |
1986年 | 1513~1516編成 1517~1520編成 |
2021年 | 2021年、2022年 |
1500形アルミ車の寿命到達時期が2033年
さて、現役の京急車両で最も古い1500形ですが、1988年製造分以降はアルミ車で製造されています。京急ではアルミ車の寿命を45年~50年としているため、1500形アルミ車の寿命到達時期は、最速で2033年です(1988年+45年)。最遅で2038年(1988年+50年)のため、1500形普通鋼車の置き換えが完了するであろう2022年を最後に、新車を製造する目的が無くなります。600形・2100形・1000形5次車まではアルミ車なので、寿命到達時期は1500形より後になります。
というわけで、京急の新車製造は2022年度を最後に、10年先は無さそうです。1500形普通鋼車の置き換えは、1000形でやり切りそうなので、1000形の製造も2022年でラストオーダーになるかもしれません。10年後に「京急1000形が新造!」と公式で発表していたら衝撃ですが。
編集後記
鉄道ファン的には新車が出て来るのは楽しみだと思いますが、鉄道会社的には高額な鉄道車両を毎年新造していたらコストが非常にかかるので、車体寿命が長い車両の方が経営的には優しいです。毎年の様に車両を新造してきた京急にとっては、2022年以降は珍しく新造ナシの時代が来るのではないでしょうか。
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*1:1500形を置き換えることは公式で発表されていないので本記事での仮説。