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何故、京急600形が登場してしまったのか

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京急1500形は現在の京急車両の基礎となった形式です。乗降ドアは京急3扉車で初の両開きドアを採用し、ワンハンドルマスコン、1987年製造車からはアルミ車体、1700番台からVVVFの採用など、一気に京急車両の近代化を推し進めました。

が、しかし、1993年に製造は打ち切られ、1994年からは、今では京急お馴染みバルーンフェイスの600形が登場します。しかし、600形の機器類はほぼ1500形。どうして1500形の製造を打ち切り、600形を登場させたのでしょうか。

 

見た目は600形、中身は1500形

京急600形は1994年に登場し、今まで製造していた1500形から一新したバルーンフェイスとなりました。600形は1994年から1996年という短い期間ですが、製造バリエーションは4次車まで及びます。

その中でも、600形は1次車~3次車グループと4次車グループに大きく分かれ、1次車~3次車は、見た目こそ違うものの、実質的に1500形のVVVF車両(1700番台)とほぼ同じです。

1500形1700番台と600形1次車~3次車の主要機器を比較してみると分かります。

  1500形
(1700番台)
600形
(1次車~3次車)
制御方式 GTO-VVVF GTO-VVVF
VVVF制御装置 東洋製:ATR-H8120-RG-627A(B)
三菱製:MAP-128-15V31
東洋製:ATR-H8120-RG-627B
三菱製:MAP-128-15V31
主電動機 東洋製:TDK-6160A
三菱製:MB-5043A
東洋製:TDK-6160A1
三菱製:MB-5043A
駆動装置 東洋製:TD282-C-M
(歯車比 83:14 (5.93))
東洋製:TD282-C-M
(歯車比 83:14 (5.93))
低圧補助電源装置 東洋製:SVH-85-461A-M
三菱製:NC-FAT-75A
東洋製:SVH-85-461A-M
三菱製:NC-FAT-75A
台車 円筒案内式 軸梁式

その他の細かい機器も、型番のリビジョンこそ違えど、性能はほぼ同等…ですが、1500形1700番台と600形1次車~3次車で、明確に違うところは台車です。

 

台車変更のトレードオフ

600形で採用した軸梁式台車は初代1000形以来となりますが、600形で軸梁式を採用したのには理由があります。コストの問題です。

円筒案内式よりも軸梁式の部品点数が少なく、簡素な構造なので、予備部品確保の費用と、メンテナンス費用の削減につながります。コスト削減は良い事だ!と思いますが、ちょっとした落とし穴がありました。それは乗り心地です。

600形で再び採用された軸梁式台車は、直線での安定性はありますが、カーブでの乗り心地では少し難があったのです。

京急ユーザーなら分かると思いますが、京急は曲線が多いです。曲線では軸梁式台車よりも、円筒案内式台車の方が乗り心地は安定します。ブレが顕著になる高速域では、600形よりも1500形の方が、比較的安定した乗り心地となっています。そのため、600形をフィードバックして製造された2100形では、台車を円筒案内式に戻しています。

 

600形を登場させた理由

さて、そろそろ本題です。中身が同じなのに、形式と顔を変えてまで登場したのは、有名なツイングルシートが理由になります。というか、ツイングルシートが600形の存在意義とも言えるでしょう。

京急からは明確に公表はされていませんが、京急車両の形式変更の基準は、運用目的の違いです。

1500形は都営浅草線・京成線へ直通可能な、3ドアロングシートの通勤車両として製造されました。一方、600形も都営浅草線・京成線への直通可能でしたが、3ドアクロスシートの通勤車両という仕様で登場しています。

そして、600形は中央乗降ドアを締め切る機構も設けており、3ドアながらも2ドアクロスシートに姿を変えることが出来るため、当時の2ドアクロスシート車両である2000形と同じ状態になることが出来ます。ツイングルシートもそうですが、2ドア状態で2000形と同じ運用も想定されていたので、この時点で、1500形が運用可能な範囲を超えています。

2代目1000形も同様に、1000形ステンレス車両が登場した時に、別形式にしていないのは運用が同じだから。1000形1800番台については、中央貫通扉を装備して、4両編成2本を結合して8連にする仕様にしたため、中央貫通扉の車両のみに1800番台が付与されています*1

 

もしツイングルシートが無かったら…

もし、ツイングルシートというトリッキーな発明をしていなかったら、恐らく600形は登場しなかったと考えられます。先述しましたが、ツイングルシートでは、中央の乗降ドアを締め切って2ドアにして、2000形と同じ運用に就くことも想定していました。

600形の機器類は1500形とほぼ同じのため、仮に、1500形の顔をバルーンフェイスにしたところで、3ドアロングシートのままであれば、1500形は製造され続けていた可能性があります。ツイングルシートではなく、ただのロングシートであれば、形式を変えて、600形を新たに製造する必要がありませんからね。

 

編集後記

余談ですが、1500形1700番台の機器が600形と同じなので、どこかのタイミングで1500形1700番台を一気に引退させて、600形の予備部品を確保するということもあり得そうですね。

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*1:1800番台で形式を変えなかったのは、恐らく車番が枯渇していたことと、1000形を引き続き製造するためと考えられる。